アーティストでなくとも自分で想像した作品を作ったり、息を呑むような風景を壁に飾ったり・・・
画像生成AIがあれば、そんなことがすぐに可能になります。今回は、この技術について簡潔に解説し、アート業界を大きく変える可能性があること、そして、この技術を使ってどのようなことが可能になるかを説明します。
画像生成AIについて詳しく見ていきましょう。
画像生成AIの概要
画像生成AIは、与えられたパラメータをもとに、AIが画像を生成する技術です。フォトリアリスティックな画像からアニメのようなイラスト画像まで幅広く生成することができます。この技術を使ったサービスとして2022年6月に「Midjourney」が公開され、その圧倒的なクオリティが話題になりました。
そして、8月に「Stable Diffusion」がオープンソースとして公開されたことで、爆発的に普及しました。この「Stable Diffusion」は継続して新たな機能の追加、学習が行われ、ますます強力になってきています。
画像生成AIでは、抽象芸術から有名人の肖像画まで、想像し得るあらゆる種類の画像をコンピュータが生成することができます。
この技術は、まず大規模な画像データとテキストを学習させることで機能します。これにより、コンピューターはさまざまな種類の画像の構造や構図に関する情報を蓄積します。一度学習させるだけで、与えられたパラメータに基づいて新しい画像を生成することができるようになります。例えば、風景の画像を生成したい場合、コンピュータに風景の種類、色、状況、照明などのパラメータを与えると、その通りの画像を生成してくれるのです。
※技術的な詳細は非常に複雑ですので、興味がある方は仕組みを調べてみてください。
AIによる画像生成はアート業界にどのような革命をもたらすか
画像生成AIは、アート業界に革命を起こす可能性を秘めています。この技術を用いれば、最小限の労力で無限の画像を生成することが可能です。これはアート制作に大きな影響を与え、従来のアートスタイルやテクニックが不要になる可能性さえあります。
また、AIによる画像生成は、アーティストに新しいスタイルやテクニックを試す自由を与える可能性があります。アーティストは1枚の絵の全てを自分で描くのではなく、自分の描きたいものだけを描いて、それ以外はAIにおまかせすることもできます。
そして、新しい刺激的なアートワークの創造につながる可能性もあります。機械学習のアルゴリズムを制作プロセスに組み込むことで、アーティストは、従来の方法では不可能だったような、新しく興味深い作品を生み出すことができます。AIに自らのスタイルを学習させて、AIを使用して画像を生成し、さらに新たな加筆を加えたり、新たなスタイルを生み出すこともできるようになるのです。
画像生成AIの可能性を探る
画像生成AIは、幅広い応用の可能性を秘めています。アートやデザインだけでなく、映画やテレビ番組の視覚効果、写実的な3Dモデルの生成、さらには、バーチャルリアリティ体験やビデオゲームにも応用できるのではないでしょうか。
また、AIによる画像生成は、インタラクティブな映像やシミュレーションにも利用できる可能性を秘めています。例えば、この技術をVR技術と組み合わせることで、ユーザーの音声入力に反応し、リアルタイムに風景を生成することが可能な仮想環境を作ることができるかもしれません。
現在は生成に数秒以上かかりますが、GPUの性能向上、または、ソフトウェアの性能向上により、一瞬で生成できるようになったとしたら、このような仮想環境も夢ではありません。そうなれば、エンターテインメント産業だけでなく、インタラクティブな教育体験にも活用できる可能性があります。
まとめ
今回は画像生成AIがもたらす新たな可能性について考えてみました。
AI技術は加速度的に進歩し、近い将来さらに革新的な技術が生まれてくるかもしれません。実際のところ何がどう変わっていくかを正確に予測することは難しいですが、変化には柔軟に対応していきたいところです。